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癖馬馴らしの後藤浩輝騎手とリキアイサイレンス [◯穴馬伝説]

☆リキアイサイレンス号(牡鹿毛)が1600万下クラスで成績不振に喘いでいた6歳の2007年10月、再び後藤浩輝騎手が手綱を取る日がやってきた。
 
 後藤騎手とは不思議と相性が良いようで、3歳の時、未勝利を脱出したのは武豊騎手だが、500万下を勝ったのが後藤騎手だった。

 その後しばらく騎乗はなかったが、4歳の2005年7月以降2006年12月まで、1着2回2着4回掲示板2回の着外無しの固め打ちを成し遂げた。

 2007年10月6日東京競馬場11Rオクトーバーステークス(2400m芝良)のこの日、久々の騎乗となる後藤騎手を背にリキアイサイレンス号は馬場の内らちを楽しそうに斜め歩きして、勝利の美酒を共に味わった歴戦の勇士を歓迎しているかのようだった。

 それも無理はなかったかもしれない。この日を迎えるまで、リキアイサイレンス号の勝利は和田竜二騎手とコンビを組んだ中京競馬場の遠州灘特別の1勝にすぎなかったからである。

 人気といえば、着外が続いた老兵(ちょっと早い気がするが)に人気は集まる筈もなく、13頭立て7番人気となっていた。

 人気どころは朝日チャレンジカップ(GⅢ)5着のコスモプラチナ号(牝4鹿毛)と、この頃順調に条件戦を突破してきた絶好調の上がり馬カゼノコウテイ号(牡4鹿毛)で、この2頭で人気を分け合う形となっていた。

 レースは、3番人気のメジロライアンの子オナーチェイサー号(牡5鹿毛)が引っ張る展開となったが、ペースはよどみがなく、幾分早め早めへと流れていった。

 後ろから3番手を進んだリキアイサイレンス号は、3コーナーから4コーナーにかけじりじりと番手を上げ、直線坂下ではガッテンワン(牡5栗毛)に前をふさがれ行き場を失ったが、即座に外に出し追い上げ態勢に入った。

 ところが200m手前となってもなかなか3馬身の差が詰まらない。
前を行くガッテンワン号は先頭をとらえる勢いというのに、50m手前でももどかしく差が縮まらない。

 もう先がないと思ったその時、後藤騎手の意志が伝わったかのように呼吸がぴったりと合い、じわじわと加速が増していった。
 そして、ハナ差抜け出たところがゴールとなった。(単勝:1,990円)

後藤騎手も嬉しかったのだろう。
ポンポンと間を空けて感慨深げに頸を叩き、リキアイサイレンス号の労をねぎらった。

 リキアイサイレンス号は5歳の時、騎手をおっぽっても、我先にゴールを駆け抜けた癖馬だが、気心の知れた相性の良い相棒なら、とことん能力を発揮する馬君なのかもしれない。

 次走のアルゼンチン共和国杯(GⅡ)の3着が後藤騎手との最後のレースとなったが、その後2年間程の間、オープン戦を主に参戦したが、勝利どころか掲示板にさえ載ることはなかった。

 リキアイサイレンス号(父サンデーサイレンス、母リキアイアクトレス)は、2009年の8月28日に引退し、現在は北海道静内の岡田牧場で種牡馬として繋養されている。

 種付け料は10万円と公表されていますが、来年4月頃にはシェラムール号(父Conquistador Cielo、母ニコールモナムール)と他1頭の産駒が期待できるそうです。

 岡田社長さんは「趣味の世界だから」と話しておられましたが、個性の強い馬だからこそ、大きな夢を見せてくれるような気がします。
 また、岡田牧場では、事前に連絡をすればリキアイサイレンス号に会うことも出来るようです。

 この競馬界で、後藤騎手のような癖馬の扱いが巧みな騎手がいる限り、リキアイサイレンス号のⅡ世達も、騎手を振り落とす勢いでゴール目指して疾走するのではないかと期待が膨らみます。

 なお、後藤騎手は本日7月6日より1ヶ月間、イギリスへ海外渡航される予定と発表がありました。
更に磨きをかけて、海外といわず国内の競馬でも活躍を期待したいところです。 
・・穴馬伝説(16) リキアイサイレンス・・ 

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